むつばえ | 最初に手にとったのはやっぱりタモで掬った幼魚やった。中井水が川原の中を流れて大川へ繋がっていた頃、幼魚が遡ったか産卵が中井水の藻の中で行われたかわからないが、2〜3cmくらいの銀鱗が輝くヤツがタモへ飛び込んできた。 釣り竿を手にするようになってから、いつでも釣れたのがこのむつばえで、小学校の理科で“カワムツ”と呼ばれることを学んだ。 オスの成魚が婚姻色に染まると真っ赤なヒレと口の周りにイボが現れ、釣り上げて手にとるとうすら気味悪いくらいやった。たしか“オニムツ”とか呼んでいた。 大川のヤナギの下を水中眼鏡で覗くと、小さいのやら大きいのが群れになってひしめいている様子はとても良く覚えている。 後に関市で川魚を研究してみえるG先生と知り合うことがあり、「鮎やシラハエよりも環境汚染に弱くて、葦の生えない護岸の川では生息が難しい・・・」と教えてもらった。釣り人には見向きもされない魚だが、これも貴重な種類なんやなー。 |