建築 Architecture フィールドミュージアム
 

 建築分野において高い評価を得ている、フィールドミュージアムの核施設「レストランももちどり」・「和歌文学館」・「篠脇山荘」を中心とした、施設紹介。

東氏記念館 レストランももちどり 和歌文学館 篠脇山荘 茶屋いなおほせどり ショップよぶこどり
1.資料館(東氏記念館)
2.交流館(レストランももちどり) 3.展示館(和歌文学館) 4.研修館(篠脇山荘)
5.ショップ(よぶこどり) 6.茶屋(いなおほせどり)
名称 古今伝授の里フィールドミュージアム
所在地 岐阜県郡上市大和町牧
企画 岐阜県 大和町 (現在は 郡上市)
設計 瀧光夫
  協力/田代喜久 高野博彰 西山佳毅 本間秀雄
  近畿建築構造研究所 上田正宏
  arcあるくネットワーキング 菅家克子 谷口美樹子
構造 近畿大学 須賀好富 天野悦治
設備 設備設計 担当/大森将丈
サイン・展示 京都芸術短期大学 担当/久谷雅樹 田中貞一 佐藤博一
壁画制作 西田眞
石彫・木彫 アートブレイン 担当/藤本春紀 山本伸二
造園 緑地設計研究所 担当/三宅宣哉
積算 青山建築積算事務所 担当/青山幸夫
建築施工 ヤマシタ工務店 担当/石神義和 渡瀬千秋
空調・衛生 木島プロパン
電気 ノーヒデンキ
敷地面積 12,790u
建築面積 1,160u(3棟)
延床面積 1,140u(3棟)
構造 鉄骨造 一部木造
杭・基礎 直接基礎
設計期間 1991年3月〜1992年7月
施工期間 1991年12月〜1993年5月

 鎌倉時代から室町時代にかけて約250年間、郡上のこの地を統治した東氏の一族は、代々歌詠みに優れた家系であったが、9代常縁(1401〜1484年頃)は「古今集」の研究者としても名をなし、連歌師・宗祇に奥義を伝授したことで、「古今伝授の祖」として今日に伝えられている。1981年、その東家の館の池泉跡が発掘され、国の名勝に指定された。これを機に周辺一帯を「古今伝授の里」として整備して町おこしのひとつにした。その一貫として当初、展示・集会・食堂など多目的な機能をそなえた「和歌会館」を設計し、国内外の和歌・短歌愛好者の拠点にしようと計画された。

 建築家・瀧光夫氏より、複合機能をもつ「会館」を1棟で計画すると、嵩だかいものになりあたりの風景と馴染まない。また特殊建築物としておそらく耐火構造(RC造)になる。食堂・展示館・講堂と棟に分けて、段上の立地を生かして配置すべきではないか。また、敷地は田圃であったことから、水をはれば随所に池がつくれる。史跡とその背後の篠脇城跡の連山を借景にすれば、互いに関連づけられた里の景観が生れる。講堂などはオーディトリアム的ではなく茅葺の広間にし、借景の水庭などを設けて歌詠みの里らしくしてはどうか、との提案があり、交流館(レストラン)・展示館(和歌文学館)・研修館(広間や茶室)の3棟に分けることとなった。

 3棟はそれぞれが独自の形態を持ちながら、互いに関連づけられた形で、既存の段状地形を生かしながら配し、池・水の流れなどの修景をほどこした。多雪地ということから鉄骨造と木造の混構造にし、明るい内部をつくるために大きな開口部と天窓を設置した。これによって内外が揮然一体となり、立体的な回遊性が生れた。裏山や遠山が色々な角度から借景として見え、歌詠みの里らしい雰囲気になった。これらの施設をこの形で配することで、対岸の史跡や遠山と敷地一帯は視覚的に関連付けられ、構造化されて新しい里の景観が出現している。

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