きょうと ゆら川 |
大阪をベースにポンコツで届く限りをと地図をひっくり返していると、スポーツ紙に良く出てくるみやま漁協というのが目にとまった。京都まで171号を上ればその先は「周山街道」という響きのいい道路が北山杉の並木の間をゆら川へ続くとあった。ようやっとアユ竿も手に入れたし、アユの解禁からまもない平日なので夜のうちから鞭打って出かけた。 空が白む頃に現着し、予め調べておいた遊漁証発行所のラーメン屋へ寄ると、6月一杯は年釣り券しか売ってないという。寂しいフトコロながら思い切って年券を購入し、「これじゃあと3回は来ないとモトがとれんナ」とつぶやきながら街道脇の瀬尻へ入渓する。 周りの釣り人から見ればボロくて太い時代遅れの竿ながら、幸先良く野アユを手に入れ次々と入れ掛かりとなった。追星もまっ黄色の香りよいアユに、しばしイナカのアユの匂いを思い出して陶然となる素晴らしい川であった。 みやま漁協管内は由良川上流部にあたり、最上流域に原生林を残し京都大学の演習林があったりして、西日本で天然あまごの生息する数少ない清流であると知った。 その年はあと2回ほど釣行したが初回ほどの釣果もなく街道の途中の上桂川で静かに“泳がせ釣り”をするアユ釣り師など眺めながらエアコンの無いポンコツに揺られたことしか記憶にない。夏の盛りに京都から大阪へ向かう街道で、渋滞したエアコン無しの4WD車と言えばおおよそ想像してもらえるだろう。 |